おばあちゃんとの会話④ - 覚えてもらえない家族
おばあちゃんがアルツハイマー症になった後に、私は結婚した。
もちろんおばあちゃんも結婚式に来てくれて、おばあちゃんの寝室にも結婚式の写真が飾ってある。
旦那くん『おばあちゃん、お久しぶりです、お元気にされてますか?』
おばあちゃん『こんにちは。いつもお世話になってます。』
といいながら、
おばあちゃん『誰やったかいなあの人は?』
と小声で、一応気を使って本人はこっそり聞いたつもりで、ほかの家族に尋ねる。
ある時は、
まほ(母) 『ママ、OREOちゃんの旦那さんよ。ほら、結婚式でも会ったでしょ』
旦那くん『おばあちゃん、お久しぶりです。』
おばあちゃん『どうもこんにちは。いつもお世話になってます。』
そして5分後、
おばあちゃん『あの男の人はどなた?』
まほ(母) 『だから、OREOちゃんの旦那さんって言ったやろ。さっき挨拶したでしょ。』
おばあちゃん『あら〜そうやったかいな。最近、すぐ忘れるもんね〜いかんとよ。』
まほ(母) 『そうね、忘れっぽいけん、ちゃんと覚えとって。OREOちゃんの旦那さんよ。』
そして、さらに5分後、
おばあちゃん『OREOちゃん。あの男の人はどなた?お父さん(ひろし)のお友達?』
私 『うん、そうそうお父さんの友達よ。』
おばあちゃん『そうやろうね。どうりで会ったことないと思ったもんねー。』
こんな会話をひたすらする。
ざんねん、旦那くん。
だっておばあちゃんは、あなたと出会う前の78歳の頃にタイムスリップしているんだから、
仕方ないよね。